私たちの暮らしに根付いている「税金」について詳しく知ろう
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そもそもの「税金」の成り立ちについて
日本の「税金」の歴史に関連するものとして、最古の記録では約3世紀邪馬台国では庶民から税金を徴収していたという記載が「魏志倭人伝」にあるということです。そこでは国という形で団体生活を行う上で、共同で使う設備や道具が必要になり、国からその税収をもとにそれらを提供していたと考えられます。これが税金の概念にあたるかは不明ではありますが、仕組みとしては同じに感じられます。そしてはっきりとした制度として「645年大化の改新」では「国は土地や人民を所有する」といった方針が示されています。また「701年大宝律令」では「租(農民税として収穫の3%)・庸(京の都での労働あるいは布)・調(布や絹といった特産物)」で労働や税を納める仕組みが確立されています。その後からは「年貢(米)」が中心になり、室町時代には商業が産まれたことにより商工業を生業とするものからも税金が徴収されました。また各街道にある関所では、「通行税」が新たに設けられ、税金の種類もさらに増えていきます。
現在の制度としては1946年の日本国憲法で「納税の義務」が定められ、翌年の1947年には納税者が自ら所得や税額を計算し、申告し納税する「申告納税制度」が制定されました。これが今日に至る税制度の基本となっています。
「税金」はなぜこんなにたくさん必要なのか?
私たちの生活は、自分や家庭内だけでは生活ができません。常に社会の中で生活しています。具体的な「社会」とは、「仕事や収入手段」「教育(学校)」「病院など健康・福祉に関するもの」「道路・信号・高速道路などインフラ」「事故や火事などの対応(警察・消防など)」「災害時の対応(避難所・食糧など)」といったこれらすべて公的サービスというシステムを構築しまた運用していかなければなりません。それには当然資金が必要です。これらの資金として充てられているのが「税金」というわけです。
「税金」は具体的にどのようなものに使われているのか!?
国に納める税金「国税」を詳しくみていきましょう。令和元年を例にあげるとその総額は「101兆4,571億円」にのぼります。その主な中身をあげていくと「社会保障費(健康や生活を守る費用)」が約35兆円で約34%。「国債費(借金の返済と利子)」が約23.5兆円で約23%。「公共事業費(道路・橋・建物の整備費)」が約7兆円で約7%。「教育費(学校教育、科学の発展につながる費用)」が約5.6兆円で5.5%。「防衛費(自衛隊など国を守る費用)」が約5.2兆円で5.2%。「地方交付税(地方の財政に関わる費用)」が約16兆円で約15.8%。その他で約10兆円となっています。
私たちの生活に活かされる「税金」で安全な生活が保たれている。
普段の生活のなかで周りを見渡せば実にたくさんの場面で税金が活かされていることが分かります。ゴミを出せば決まった日に集めて処理してくれますし、火事があれば消防車が、ケガや病人がでたら救急車が、信号や横断歩道のおかげで安全に外出ができる、といったことは納められた税金がきちんと機能している証拠と言えます。このことを理解することで「納税の義務」に対する考えも良い方向に考えることができるでしょう。