仕事の生産性を10%アップさせたある意外な場所とは
仕事の生産性を10%アップさせたある意外な場所とはの記事をご紹介します。
ランチタイムも生産性アップのチャンス!?
経営者や研究者による仕事を改善する方法についてのアイデアが掲載されたサイト「re:Work」。そのなかから職場の生産性がランチテーブルを活用することで10%も上がったという記事がありました。ランチテーブルと生産性?一見なんの関連性もないこのふたつも、データを用いて相関性が見えるという記事を紹介したいと思います。
従業員の移動パターン調査で見えた!?意外な結果
ある研究者が、センサーがたくさん付いたバッジを従業員に付けてもらい、従業員同士の相互作用パターンと空間の利用が、仕事のパフォーマンスにどう影響するのかを調査しました。着用したバッジには各従業員が誰とどれくらい関り、さらに従業員同士の関係性をマッピングしました。この研究によりとても興味深い結果が明らかになりました。特に顕著な例として、オンライン旅行会社の結果を見てみましょう。
生産性アップのカギはランチテーブルにあった!?
とあるオンラインの旅行会社では、食堂にあるテーブルを大きくすることにより、同僚による評価では仕事のパフォーマンスが10%以上も良くなったということがわかりました。
いったいどういうことでしょうか?まず、最も生産性の高いプログラマーは一番大きなグループで昼食をとっていることが分かりました。このグループのメンバーは、日によって変化はありますが、ほぼ12人です。逆に、最も生産性の低いプログラマーは4人程度の比較的小さなグループで食事をとっていました。こちらも、グループのメンバーはほぼ4人でした。
食堂の座席の配置を見てみると、片方のドアの近くのテーブルには4席あり、その反対側のドア近くのテーブルは12席という形で配置されていたため、そのような人数の構成になっていたのです。
生産性の高いプログラマー達は、一番おおきなランチテーブルを選び、より多くの従業員とコミュニケーションを取ることにより、結束力を高め、大きなネットワーク形成を通してパフォーマンスを向上させているという結果が見られました。またこの大きなグループの方が他のグループよりストレスの度合いも低く会社への不満も少ないそうです。
この研究結果により、食堂のすべてのランチテーブルを大きくし、仕事のパフォーマンスが10%以上改善されました。この研究結果の応用として、オフィスのテーブルや配置などにも活かせる可能性が大いに期待されます。
休憩時間もパフォーマンス向上のチャンス!
食事の時間においてもより多くの従業員と交流を図ることが、パフォーマンスにも影響するという結果になりました。今後このことは職場のさまざまな場面においても応用されていくことでしょう。
これを機に今までひとりで食べていた昼食も、ほかの従業員との交流の場にしてみてはいかがでしょうか。
このように最新技術を駆使し、社員のデータ収集・分析を行う事で、生産性やエンゲージメントを高めることを促す技術を「ピープルアナリティクス」といいます。今後この手法が幅広い分野で研究、応用されていくことでしょう。今後も人事領域において「ピープルアナリティクス」研究の情報から目が離せません。