寄付金とは？交際費との違いや注意点について解説
寄付金とは？交際費との違いや注意点について解説の記事をご紹介します。
法人が寄付金を支出した場合、一般的にはその寄付金は経費（損金）として計上されることはありません。代わりに、寄付金は一般的に「寄附金」として扱われ、法人の経費とは別に処理されます。ただし、法人が寄付を検討する際には、寄付と税金の関係について注意が必要です。寄付金が税金の控除対象となるためには、特定の条件や制限が設けられており、国や地域によって異なることがあります。
寄付金とは？
寄付金は、金銭や資産を見返りを求めずに他者に贈る行為を指します。通常、寄付金、拠出金、見舞金などの名前で呼ばれる支出は、寄付金として分類されます。ただし、これらの支出が、取引先への支出にもかかわらず、実質的には交際費、広告宣伝費、福利厚生費などのカテゴリに含まれる場合、それらは寄付金とは見なされません。
交際費等とは？
交際費等は、取引先や事業に関係のある者に対する接待、供応、慰安、贈答などへの支出を指します。金銭を取引先に贈った場合であっても、それが香典やお祝いなどであれば、寄付金ではなく、接待交際費として処理されます。また、協賛金の場合でも、自社の名前が広告などに記載され、広告効果がある場合は広告宣伝費として計上され、寄付金とは異なるカテゴリに分類されることに注意が必要です。
寄付金の種類
・国や地方公共団体に対する寄付金 ・指定寄付金 ・特定公益増進法人等への寄付金 ・一般の寄付金
寄付金の損金算入限度額の計算方法
①特定公益増進法人等への寄付金 （資本金等の額×当期の月数/12×3.75/1000+所得の金額×6.25/100）/2 ただし、所得の金額は支出した寄付金の額を損金に算入せずに計算されます。また、特別損金算入限度額を超える金額は、通常の寄付金の額に含まれるものとします。 ②一般の寄付金 （資本金等の額×当期の月数/12×2.5/1000+所得の金額×2.5/100）/4
寄付金に関する注意点
寄付をしたつもりがない場合でも、税務上寄付と認定されるケースがあります。たとえば、資産を時価よりも低い価格で他者に譲った場合、その差額が寄付金と見なされます。同様に、会社が無利息で金銭を貸し出した場合、利息部分が寄付金として扱われることがあります。また、関係会社に対する債権放棄も、特定の要件を満たさない限り寄付金として認識される可能性があるため、慎重な注意が必要です。 また、寄付金が損金に計上されるためには、実際の支出が必要です。寄付金は支払いが行われた事業年度に記録されるべきであり、未払計上は税法上許容されていません。また、寄付金を手形で支払った場合、寄付が行われた日は手形を発行した日ではなく、手形の決済日など、支払いが行われた日になります。この点に注意が必要です。さらに、金銭以外の資産を寄付した場合、支出が行われた日を確認できる書類を整備しておくことも重要です。
まとめ
寄付金は、支払いの内容によって異なる経費科目に計上されたり、支払額の一部しか経費に計上されないことがあります。寄付金がどのような支払いになるか、また寄付金の損金算入限度額がいくらかを把握することは複雑な場合があります。迷った場合、少しでも疑念が生じた場合は、専門家に相談することをおすすめします。税法や会計ルールは状況によって異なり、専門的なアドバイスを受けることで、正確な処理ができるでしょう。
