家族や友人からの起業資金調達時に留意すべき税金と法律上のポイント
家族や友人からの起業資金調達時に留意すべき税金と法律上のポイントの記事をご紹介します。
起業に際して、家族や友人から資金援助を受ける場合、金融機関などからの融資とは異なり、直接当事者同士で話し合いを通じて資金のやり取りが行われるため、手軽な印象を受けるかもしれません。しかし、手軽であるがゆえに検討すべき要因が多岐にわたります。今回は、家族や友人からの資金調達に関連する税金や法律に焦点を当てて説明いたします。
家族や友人からお金を借りる(出資してもらう)際の留意点
明確な返済期限を決めておかないと、贈与税とみなされてしまい贈与税対象となる。
返済条件を定めた借用書や金銭消費貸借契約書を作成するべきである。
議決権の割合や資金が帰ってこないこともあることを理解してもらう。
起業資金の調達方法
「借りるのか」と「もらうのか」という2つのケースが存在します。これらの選択によって、金融機関で起業資金を融通してもらう際の審査や、税金の取り扱いが大きく異なるため、選択を明確に定めておくことが重要です。まず、税金の観点から説明をしていきます。
「借入」の場合は、借用書・金銭消費貸借契約書を作成する
「贈与」にみなされると贈与税が課される場合もある
【法人】家族・友人から起業資金を調達する場合の注意点
起業資金の調達方法として、「借りる」か「出資する」かはケースバイケースで検討されるべきですが、個々の事情によって異なる選択がされます。借入の場合、金融機関から融資を受ける際、他の借入があることが審査に影響する可能性があることに注意が必要です。 一方、出資の方法は主に株式会社で行われますが、他者からの出資が多い場合株主総会での議決権に影響を及ぼす可能性があります。特に友人などの親族以外の出資を受ける場合、自身が過半数の議決権を保持するために出資割合を慎重に考慮する必要があります。 従って、起業資金の調達方法を選択する際は、自身の状況やビジョンに応じて慎重に判断し、将来の経営展望や法的影響を考慮して決定することが重要です。 家族や友人から資金を調達する際に留意すべきポイントは以下の通りです。 返済条件を定めた借用書や金銭消費貸借契約書を作成すること 出世払いなど返済期日が明確でない条件は避けること 返済条件の沿ってしっかりと返済していくこと 家族や友人からの借入であっても、返済を適切に行い、金融機関からの借入と同様に真剣に取り組むことが大切です。このような姿勢は、贈与とみなされずに贈与税の対象とならないためにも重要です。そして何より、経営者としての意識を示すものとしても重要です。
まとめ
起業資金が不足して家族や友人から資金を調達する際には、出資と借入の基本的な違いやそれぞれの方法に関する基本情報を確認することが重要です。時には資金の金額だけが先に決まってしまい、その後の詳細な取り決めや条件が見逃されることもあります。 資金調達に際しては、金額だけでなく細かな部分も含めて慎重に検討することが重要です。疑問や疑念が生じた場合は、専門家である税理士などに相談し、具体的な条件や取り決めを詰めていくことが円滑な関係構築とリスク回避に役立つでしょう。