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日本の公的医療保険制度と医療費負担

2023.12.01
日本の公的医療保険制度と医療費負担

公的医療保険制度の概要

公的医療保険は、保険証を使って医療費の負担が原則的に3割になる仕組みです。
日本では、公的医療保険制度への加入は法律で義務付けられており、加入できる医療保険は年齢や職業によって異なります。

公的医療保険制度の概要

職域保険と地域保険

職域保険は、一般被用者保険と特定被用者保険の2つに分けることができます。 ①一般被用者保険は、企業の従業員が対象であり、健康保険と呼ばれます。企業の規模によって保険の運用元が異なります。
②特定被用者保険は、主に公務員を対象としており、就業先の組合や共済によって保険者が異なります。地域保険は、国民健康保険と後期高齢者医療制度の2つに分けることができます。 ①国民健康保険は、企業に就業していないかつ他の公的医療保険に加入していない人が対象であり、自営業者や個人事業主、主婦(主夫)などが加入します。保険者は市区町村と国民健康保険組合です。
②後期高齢者医療制度は、75歳以上の人が対象であり、前期高齢者の中でも所定の障害を持つ人も加入することができます。
後期高齢者医療広域連合が保険者です。

医療費負担と公的医療保障

公的医療保険の加入は義務付けられているため、70歳未満の人が入院する場合、一回の入院にかかる負担額は、「医療費の3割 + 医療費以外の出費」です。公的医療保障では、高額療養費制度と傷病手当金が入院時の医療費の負担を保障する制度として提供されています。
傷病手当金は、働けない期間の所得を補償する制度です。
一般的な入院において、患者の平均自己負担費用は約22万円です。
また、1日あたりの平均自己負担費用はおよそ19,800円です。 (引用:平成28年度「生活保障に関する調査」/生命保険文化センター) 税制における医療費控除は、支払った医療費に基づいて税金の計算を再調整してくれる制度です。基本的には、支払った医療費から保険金などを差し引き、その後に10万円を控除する対象となります。 また、医療費控除の上限額は200万円であり、所得が200万円以下の場合は、10万円の代わりに総所得の5%が引かれます。会社員の場合、給与から天引きされた所得税が還付されますが、自営業や個人事業主などの場合は確定申告による控除計算が必要です。

医療費負担と公的医療保障

税制における医療費控除とセルフメディケーション税制

また、セルフメディケーション税制では、2017年(平成29年)1月1日以降に医療用から一般用医薬品や要指導医薬品(OTC医薬品)を購入した場合、その購入費用が所得控除の対象となります。
これまで日本では、公的な医療保険制度に加えて、高額療養費控除、医療費控除、セルフメディケーション税制など、医療費負担を軽減するための様々な制度が存在しています。
また、自分が勤めている会社の福利厚生制度をよく理解することで、自分に必要な保険を見極めることもできます。まずは福利厚生や公的保険の内容をしっかりと理解し、「もしも」の場合に備えましょう。

職域保険と地域保険