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在職老齢年金制度の概要

2023.12.05
在職老齢年金制度の概要

在職老齢年金とは?

在職老齢年金とは、60歳以上の個人が給与を得ながらも老齢厚生年金を同時に受ける仕組みです。 要するに、労働と同時に年金を受給することが可能です。
ただし、在職中は老齢厚生年金の保険に引き続き参加しなければなりません。
しかしながら、給与と年金の合計が一定のラインを越えると、年金の一部または全額が支給停止または減額されることがあります。
この場合、支給が中断される期間を「在職老齢年金の支給停止期間」と称します。

在職老齢年金とは?

在職定時改定制度とは?

さらに、「在職定時改定制度」という制度も存在します。
これは、65歳以上の老齢厚生年金受給者を対象に、毎年10月に年金の支給額を再評価する制度です。
この制度は2022年4月から導入されました。以前は、65歳以上の人が支払った保険料は直ちに年金に反映されるわけではありませんでした。
具体的には、65歳以上になるまで支払った保険料が年金に影響するのは、70歳になるか退職するまで待たなければなりませんでした。
しかしながら、「在職定時改定制度」の導入により、65歳から69歳の在職中の人も、支払った保険料が毎年年金に反映されるようになりました。
これにより、65歳以上で支払った保険料がしっかりと反映されていることを実感でき、労働意欲の向上などの効果が期待されます。

退職時改定制度とは?

同様に、「退職時改定制度」という制度も存在します。 これは、年金受給者が退職した際に、加入期間や支払った保険料に基づいて年金額を再評価する制度です。
この制度によって、これまでに支払った保険料を正確に反映した年金を受け取ることができます。
退職時改定制度は以前から存在し、年金制度の公正さを維持する上で重要な役割を果たしてきました。

退職時改定制度とは?

老齢厚生年金の受給手続き

老齢厚生年金を受け取る資格を持つ年齢に近づくと、日本年金機構から年金の請求書が送られてきます。
この請求書を提出することで、老齢厚生年金の受給手続きを行えます。 年金を受け取るためには、誕生日の前日以降に年金事務所に必要な書類と一緒に年金請求書を提出する必要があります。
支給停止の計算方法は以下の通りです。
60歳以上から64歳以下の場合
a. 「年金の月額 + 賃金」が48万円以下の場合、支給停止額は0円となり、年金を全額受け取ることができます。
b. 「年金の月額 + 賃金」が48万円を超える場合、支給停止額は(年金の月額 + 賃金 - 48万円)を2で割った金額となります。
65歳以上から70歳未満の場合も、60歳以上から64歳以下の場合と同じ計算方法が適用されます。
70歳以上の場合は、厚生年金保険の被保険者ではなくなり、保険料の支払いが不要になります。ただし、在職老齢年金の支給停止額については、70歳未満の場合と同じ基準や計算方法が適用されることに注意してください。
在職老齢年金は、労働と同時に年金を受け取ることができる年金の一種であり、老後の豊かな生活を追求するために大きな利点があります。
ただし、給与と年金の合計が48万円を超えると年金が減額または全額支給停止となるため、この点には注意が必要です。
将来のライフプランを考える際には、在職老齢年金制度を利用した場合の年金受給額も考慮に入れ、より正確な老後資金の見通しを立てることが重要です。

在職定時改定制度とは?