IPO準備企業の業績成長と内部統制
IPO準備企業の業績成長と内部統制の記事をご紹介します。
IPO準備企業が抱える負担
IPOは資金調達・企業ブランド力の向上・管理体制強化を行うため株式上場をすることを言います。
年間100~200社程度の企業がIPOに向けて動いていますが、通常業務も並行して行うため、準備に関わる社員が疲弊し、退職してしまうという事も起こりえます。
また、IPOが途中で頓挫してしまったり、経営自体を圧迫してしまう事も起きてしまいます。
ですので、IPO準備では通常業務と内部統制をバランスよく行う事が求められます。
以下では、IPO準備企業の業績成長と内部統制という視点でIPOを行う際に注意すべき点について説明していきます。
IPO準備企業は様々な背景を抱えています。
・創業後数年でIPOを行う企業
・創業後非上場で経営していたが、事業成長の為IPOを目指す企業
・親会社が上場企業で、単独IPOを目指す企業
全ての企業において共通なのは、IPO準備は予想以上に大きな負担を強いられるという点です。
一般的にIPOを達成できる確率は1~2%程度と言われており、その難易度を想像するのは難しくないでしょう。
そのため、IPO達成においては「通常業務」と「内部統制」の両輪のバランスがとても重要となります。
IPO準備の具体的スケジュール
IPO準備においては、「直前々期以前(n-3期)」「直前々期(n-2期)」「直前期(n-1期)・申請期(n期)」という3つのフェーズに分けられます。
上記からも分かるようにIPO達成には最低でも3年のスパンが必要であり、スケジュール管理が重要な要素となります。
特に、n-3期とn-2期はIPO準備の基礎となる期間なので、「通常業務」と「内部統制」のバランスが取れていないと、後々多くの見直しが必要になってしまいます。
IPO準備企業に必要な反社会的勢力排除体制
IPO達成において「反社会的勢力排除」はとても重要な要素です。
反社会的勢力は「暴力団構成員・準構成員・関連する企業・個人」と定義されており、2001年のデータでは、暴力団構成員1万3300人、準構成員は1万2700人の計2万5900人と言われています。
引用:警察庁「組織犯罪対策に関する統計」
反社会的勢力との関りがある従業員が在籍してしまっていた場合、IPOが達成できない事だけでなく、企業そのものの信頼が失われ倒産の危機を招く事も考えられます。
ですので、IPO準備企業は取引先企業・取引相手の反社会的勢力との繋がりを確認する「反社チェック」が必要となります。
反社チェックは新聞などの公的情報をまとめたデータベースから、特定の企業や人物のデータを1件数百円で購入し、各企業で調査する事ができます。
IPO準備には多岐にわたる準備が必要となるため、有用なツールは積極的に活用していきましょう。
まとめ
以上がIPO準備企業における「業績成長」と「内部統制」のバランスについての説明となります。
IPO準備フェーズによって優先業務は異なりますが、監査法人・証券会社選定~取引所審査までの流れを中心に説明いたしました。
IPOを達成するためには、各フェーズ毎の業務管理・人員確保・中長期的なスケジュール管理が必要となってきます。