IPOを実現するためのスタートとは?
IPOを実現するためのスタートとは?の記事をご紹介します。
IPO実現に向けて
昨今のトレンドとして、ベンチャー・中小企業の間でIPOや異業種間でのM&Aが活発化しているというものがあります。「いつかはIPO」と考えている経営者は実は多く、IPOの社数は年々増え続けています。しかしながら、IPOは最低でも3年はかかるものであり、願っているだけではかなわないのも実情です。この項では、将来IPOを考えている経営者の方々へIPOに向けたスタートを切る方法をお伝えいたします。
IPOのメリット
まず初めに、IPOとは何でしょうか。IPO(Initial Public Offering)は、自社の株式を公開して誰でも自由に売買できる状態にすることであり、公開された株式は「新規公開株」「新規上場株」と呼ばれます。2020年に国内で新規に上場した企業は全部で93社ありました。COVID-19の影響でリーマンショック後並みのIPO不振期になるのではないかと言われていましたが、結果的には前年を上回る件数のIPOが成立しました。では、なぜIPOを目指す企業が増えているのでしょうか。企業を上場させることで次のような点にメリットがあると言われています。
・資金調達
・社会的信用度と知名度の向上
・経営管理体制の強化
・ファウンダーの利潤の確保
しかしながらメリットばかりではなく、デメリットも存在します。上場を行うには経営情報の公開を行わなければならず、株式に関する実務が多くなります。また、上場をしたことによって買収のリスクにさらされてしまったり、株主の意思が企業の意思決定に入り込んできて、思うような経営ができなくなったりというケースがあります。にもかかわらず、数多くの企業がIPOを目指す背景には、上場をすることで「経営者の高い倫理観と誠実さ」「コンプライアンス」「内部管理や情報開示の体制構築」などの厳しい審査をクリアしたという証となり、それが「信用できる企業」というお墨付きになるからです。
パートナー選定
いざ準備に着手するとなると、日常業務に加え、業務プロセスや管理体制の⾒直し・改善、社員の意識改⾰や組織改編、会計監査、上場審査の対応などやらなければならないことがヤマのように発生します。この様な業務をスムーズに進めるためには、外部の力を積極的に利用することをおススメします。特に、証券会社と監査法人は重要なパートナーであり、IPOの成否を決める最重要パートナーといえるでしょう。そのほか、弁護士・社会保険労務士・税理士・コンサルティング会社・金融機関などのパートナーの存在も大切であり、それぞれの専門性を活かしたアドバイスをくれるでしょう。このパートナー選びやシステム選びはIPOを達成する上でとても重要です。誰をパートナーに選定するかによって、上場までの期間や実現可能性までも握ると言っても過言ではありません。IPOを目指す企業が増える中で、最適なパートナーを獲得することができないという企業も少なくありません。
システム選定
上記でお伝えしたパートナー選定と並んでシステム選定も重要です。ですが、パートナー選定で選定した企業はシステムの推薦まではしてくれないのが一般的です。IPOの準備を着手する前に、パートナーとシステムの選定にも準備期間が必要な事も予め把握しておいてください。