最適な設備投資は回収期間でリスク回避を狙おう
最適な設備投資は回収期間でリスク回避を狙おうの記事をご紹介します。
企業が事業を行うために設備投資は必要不可欠ですよね。
しかし適切な設備投資の方法と回収期間を見極めることはとても難しいです。
今回は設備投資の対象から流れ、回収期間との関係まで解説を行なっていきます。
設備投資の対象とは?
設備投資の対象は大きく2つに分けられます。
有形固定資産
•土地: 工場や店舗に使用する敷地
•建物: 工場や店舗そのもの
•機械: 製造するための設備など
•備品: パソコンや机など
無形固定資産
• 工業所有権: 特許権、実用新案権、商標権、意匠権
• ソフトウェア: 社内で使用されるシステム
• 営業権: ブランドなどの無形の資産
設備投資の流れ3ステップ
1. 投資案の策定
設備投資行いたい案件を複数抱えている企業がほとんどですが、損益面や資金調達の観点から中期計画や予算編成の場面でふるいわけを行う必要があります。
絶対的に必要な投資設備を優先し、まだ投資する余裕があった場合にだけ範囲内で収益性の高い設備投資を選択します。
ここでいう絶対的に必要な投資設備とは、故障が多発していて事業に影響を及ぼしている製造設備の更新などを含む、早めに対処をしないと売上に直接響く可能性のある設備のことです。
投資設備決定後は経営の課題を解決するための収益などを評価して予算に組み込みます。
2. 設備投資の妥当性
経済計算と呼ばれる方法で設備投資の優先性を決定します。
「投資利益率法」、「回収期間法」、「正味現在価値法」の3つの方法があります。
3. 資金調達後に設備投資を開始
投資設備の内容を確定した後、設備投資の経済計算の再計算を行います。
予算時より悪化した場合は投資判断をもう一度考えましょう。
その後、確定した設備投資の内容や経済計算が添付された稟議書によって決裁を求めます。
決裁完了後は資金調達を行なって設備投資を開始していきます。
設備投資と回収期間の関係
設備投資の回収期間とは、設備に投資したお金がどのくらいで回収のできるのかを考え、設備投資をした金額を超えて利益が出るまでの期間のことです。
この設備投資の回収期間の計算方法の1つに回収期間法というものがあり、設備投資を行った場合と行わなかった場合を比較して何年でプラスになるのかを計算します。
設備投資を行った際の貸借対照表と投資しなかった場合の損益計算書を比較し、フリーキャッシュフローと呼ばれる営業利益に減価償却費を加え、法人税などを差し引いたものを計算します。
投資した際のフリーキャッシュフローがいつ投資しなかった場合のフリーキャッシュフローを上回るのかを計算するのです。
この結果算出された、上回るまでの期間が回収期間となり、この回収期間をもとに設備投資を行うかどうかの判断を行います。
まとめ
回収期間を用いて設備投資を行うかどうかの判断を行うことで、投資がどれだけ必要か、リスクはどのくらいあるかの判断を行うことができるようになります。
必ず必要な設備投資ですが、リスクを少しでも避けるためには回収期間を正しく把握し、収益性の高い設備投資を選ぶことが最適と言えます。