連結決算とは?メリット・デメリットを解説
連結決算とは?メリット・デメリットを解説の記事をご紹介します。
連結決算には対外的信用を得やすいメリットがある一方で、手間がかかるデメリットも存在します。中小企業に対して連結財務諸表の作成は法的に義務付けられていないため、概要を理解し、導入の可否を検討する際には慎重に判断することが重要です。
連結決算とは
連結決算は、企業グループ全体における決算を指します。この概念は、1976年に「連結財務諸表の用語、様式、および作成方法に関する規則」が公布され、その後1977年に連結財務諸表の監査が開始されたことから始まりました。しかし、日本では連結決算に関する情報開示があまり進んでいなかった時期もありました。しかし、2000年3月期にディスクロージャー制度が大幅に見直され、その後、企業の情報開示が連結決算中心に切り替わりました。これにより、企業グループ全体の財務情報がより透明になり、投資家やステークホルダーに対して信頼性の高い情報が提供されるようになりました。
連結決算の対象
連結決算の対象は、原則として親会社、子会社、関連会社のすべてが含まれます。以下はそれぞれの定義です。
・親会社: 他の会社を支配している会社で、支配力を持つためには他の会社の議決権の50%以上を保有している必要があります(会社法第2条第3号)。
・子会社: 親会社が50%以上の議決権を保有している会社です。
・関連会社: 親会社が他の会社の議決権の20%以上を保有し、その会社の経営方針に重要な影響を与えることができる会社です。
連結決算が必要な理由
連結決算が必要な理由は下記の通りです。
・グループ全体の財務状況の把握: 連結決算を通じて、親会社、子会社、関連会社など企業グループ全体の財務情報を一元化し、経営者や投資家がグループ全体の経営状況を把握できます。これにより、グループ全体の健全性や成長性を評価するのに役立ちます。
・有価証券報告書提出義務: 会社法第444条により、一定の条件を満たす大会社や有価証券報告書提出会社は、連結計算書類を作成し提出する義務があります。これに該当する会社は上場会社、店頭登録会社、有価証券届出書提出会社などです。この制度により、投資家に対して連結財務情報を提供することが求められます。
ここで言う大会社の定義は以下の条件を満たす会社を指します。
・貸借対照表で資本金として計上した額が5億円以上であること。
・貸借対照表の負債の部に計上した額の合計が200億円以上であること。
連結決算のメリット
・対外的信用を得やすい
・グループ全体の経営情報を把握できる
連結決算のデメリット
・手間がかかる
・監査を受けなければならない
連結決算のやり方
連結決算の流れ
1.各会社(親会社・子会社・関連会社)で個別に財務諸表を作成する
2.親会社が子会社、関連会社の情報を収集する
3.個別財務諸表を合算する
4.連結修正仕訳を実施する
5.連結財務諸表を作成する
連結財務諸表に盛り込まれる内容
・連結賃借対照表
・連結損益計算書
・連結キャッシュフロー計算書
・連結株主資本等変動計算書